世界の化学工業界は、化学物質を扱うそれぞれの企業が化学物質の開発から製造、物流、使用、最終消費を経て廃棄に至る全ての過程において、自主的に「環境・安全・健康」を確保し、活動の成果を公表し社会との対話・コミュニケーションを行う活動をしています。この活動を“レスポンシブル・ケア”と呼んでいます。
関西熱化学グループでは、RC活動を経営の最も重要な柱の一つと位置付け、環境・安全・品質に関する基本方針(RC基本方針)を制定し、 グループの特色を生かした活動を展開しています。
関西熱化学グループは、「責任ある自主的な行動により社会からの信頼を受ける会社」を目指し、関西熱化学およびグループ会社の代表から組織されるRC推進会議が、「環境保全」、「保安防災」、「労働安全衛生」、「化学品安全・製品品質」に関する基本事項を定め、グループ全体のRC活動を統括します。 RC推進会議では、当該年度のRC活動の成果およびリスク管理委員会にて決定されるリスク管理方針に基づいて、次年度のRC活動方針・RC目標およびRC計画が承認され(Plan)、グループ各部署がRC活動を推進し(Do)、本社RC監査、内部監査および外部監査によって確認され(Check)、その評価に基づいて活動計画を見直しすることや改善事案を従業員に周知する(Action)ことでPDCAサイクルが確保されています。
加古川工場では、稼働当初より公害対策設備を積極的に導入し、クリーンなコークス工場を目指して操業を継続しています。1980年代半ばから、コークス炉燃焼制御システム(ACC)を開発・導入し、その後2000年代に至るまで、コークス排熱を蒸気として回収するコークス乾式消火設備(CDQ)、石炭中の水分を低減する石炭調湿設備(CMC)を導入し、エネルギー効率の向上を図ってきました。2000年代には、新たにコークス炉煙道集じん機や廃水中脱COD設備を設置しました。これらの取組みによって、地球環境負荷低減に寄与しています。
また、環境マネジメントシステムISO14001の認証を取得するとともに、RC活動の展開により、環境への取組みを経営の最重要課題の一つとして取組んでいます。
地球温暖化抑制への取組み
コークス製造工程の様々な設備で、燃料や電気をエネルギーとして使用しています。コークス炉は約50年と長期間稼働していますが、様々な取組みによりエネルギーの使用増加を防いでいます。
大気環境保全への取組み
コークス製造に使用する燃料ガスには、硫黄分やアンモニア分等が含まれています。事前にガス中の硫黄分・アンモニア分等を除去するとともに燃焼管理を強化することで、燃焼後の排ガスに含まれるSOxやNOxの排出抑制を図っています。また、ベルトコンベアをはじめ各所設備の密閉化、集じん設備の増設、石炭山の薬剤コーティングや貯炭場等での散水により、工場からの粉じん飛散防止を図っています。
SOx(硫黄酸化物) :石油や石炭など硫黄分が含まれる燃料を燃焼させることにより発生する硫黄と酸素の化合物
NOx(窒素酸化物): 石炭や石油などの燃料中の窒素や空気中の窒素が高温燃焼時に酸化されて発生する窒素と酸素の化合物
水環境保全への取組み
加古川工場内で発生した凝縮水は、活性汚泥処理などの排水設備で適切に処理した後、海域に放流しています。また、工場内の貯炭場等で散水に使用する水などは、工場内で一度使用した水を循環使用することで工業用水使用量の抑制を図っています。
化学物質適正管理への取組み
PRTR法(特定化学物質の環境への排出量の把握および管理の改善の促進に関する法律)に従い、対象となる物質について国に対して移動量と排出量の報告を行っています。また、排出に関わる設備の管理を強化しています。
廃棄物削減への取組み
加古川工場から排出される産業廃棄物は、民間の産業廃棄物処分業者に処分を委託しており、定期的に委託した廃棄物が適正に処分されていることを確認しています。2009年度からゼロエミッション(廃棄物の99%以上リサイクル)を継続しています。
当社グループでは工場だけでなくオフィス、家庭においても環境負荷削減活動に取り組んでいます。
エコアクション21
事業者において製品・サービスを含む全ての事業活動の中に、省エネルギー、省資源、産業廃棄物等の環境配慮を織り込むことが求められています。関西熱化学では、環境への取り組みを適切に実施し、環境経営のための仕組みを構築、適用、維持するとともに環境コミュニケーションを行うことによって本社・研究開発センターの2事業所でエコアクション21の認証を受けています。
エコアクション21:環境省では平成8年より、事業者に対して、自主的に「環境への関わりに気づき、目標を持ち、行動することができる」簡易な方法を提供する目的で、エコアクション21を策定し、その普及を進めてきました。
地球温暖化の防止
当社グループでは、工場や全てのオフィスの電気、ガスなどの環境負荷量を把握し、計画的に削減していく活動を行っています。
また、家庭における電気、ガス、水道、ガソリンなどの使用量を環境家計簿(エコライフノート)として提出する活動を行っています。
資源循環サイクルの取り組み
オフィスでは、OA用紙の削減、紙類回収リサイクルボックスの活用など、紙資源の削減やリサイクルを促進するエコ活動を全社で展開しています。